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Friday, July 10, 2020

【深層リポート】秋田発 低収入にあえぐ建築職人 構造的な問題の改善が急務 - 産経ニュース

建築現場で忙しく動き回る職人たち=秋田県三種町(八並朋昌撮影)
建築現場で忙しく動き回る職人たち=秋田県三種町(八並朋昌撮影)

 建築職人でつくる秋田県の組合が、今年度の標準賃金を日額2万6千円に改定した。しかし実際の収入は、大工の平均で日額1万4千円余り、年収は330万円余りにすぎない。程度の差こそあれ全国的に同傾向で、職人を志す若者が激減し、建築職人は危機的状況を迎えている。背景には建設業界の長年の慣行もあり、課題解決には社会全体の理解が必要になりそうだ。

技能後継の危機

 秋田県建築技能組合連合会の柳谷金悦会長は「標準賃金を定めても、実際に支払われるのは5~7割でしかない」と話す。

 建築職人は、大工や左官をはじめ造園、とび、溶接、板金など約50職種に分かれる。会社員が増えているが、独立生業の職人として仕事を請け負う「一人親方」も多い。

 秋田建築労働組合の照井昇組合長によると、大工の場合、40~60代の熟練職人でも標準賃金を提示するのは難しく、秋田市内の相場は1万8千円程度。ボーナスはないので、平均年間稼働日数230日を掛けた414万円が年収となる。ここから所得税や社会保険料、工具などの経費が差し引かれる。「だから職人はみんな共働きで、かあちゃんに頭が上がらない」と照井組合長はつぶやく。

 近年は建築職人を志す若者が激減している。同組合員約5400人のうち、10代は5人で0・1%、20代も227人で4%。50~70代が7割を占め、平均年齢は57歳。「あと数年すれば職人業界は危機的状況になる」と照井組合長は指摘する。

 実際、秋田県内の男性は「自宅の土壁を直すにも左官職人がいないので、板壁にしてしまった」。別の男性も「信頼できる職人を探すのが大変になった」と話す。

公契約条例を

 この危機的現状に行政も対策に乗り出し、国土交通省は公共工事での職人ら技能労働者の労務費を適正化するため、都道府県ごとに職種別の「公共工事設計労務単価」を毎年公表している。例えば今年度の秋田県の大工職は社会保険料の本人負担分を含め2万9千円だ。

 秋田県も「公共工事の予定価格は労務単価を適切に積算し、落札業者が下請けに出す際も労務費や社会保険料の事業者負担分などを書面で交わすよう指導している」(建設政策課)。それでも「実際に支払われるのは2万円を切る」と照井組合長はいう。

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