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Sunday, October 11, 2020

【石川】「漆」靴の臭い99%撃退 山中漆器職人が商品製造 - 中日新聞

漆を使った靴用の消臭アイテムを手にする浅田明彦専務(前列中央)、荒井俊勝社長(同左)と塗り職人たち=石川県加賀市山中温泉上原町で

漆を使った靴用の消臭アイテムを手にする浅田明彦専務(前列中央)、荒井俊勝社長(同左)と塗り職人たち=石川県加賀市山中温泉上原町で

  • 漆を使った靴用の消臭アイテムを手にする浅田明彦専務(前列中央)、荒井俊勝社長(同左)と塗り職人たち=石川県加賀市山中温泉上原町で

「産地再興の起爆剤に」


 石川県加賀市の山中漆器の塗り職人が、漆を使った靴用消臭アイテムの生産に乗り出す。福岡県内の漆器販売会社が漆に消臭効果があると確認し、山中漆器の製造販売会社に発注した。漆器産地は需要の低迷、新型コロナウイルス禍で深刻な打撃を受ける中、関係者は「漆文化の見直しへ、起爆剤にしたい」と期待を込める。(小室亜希子)

 商品は二十五センチの足形にくりぬいた厚さ一ミリの紙の両面に漆を塗ったもの。靴を履かない時に中に入れておくだけ。繰り返し使える。職人は足形の紙に生漆を塗ってふき取った後、表面に色漆をスプレーで吹き付けて塗装する。全て手作業で、仕上がりの美しさにもこだわっている。

 開発したのは福岡県鞍手町の漆器販売会社「あらい」。妻を亡くした荒井俊勝社長(63)が自炊をしていたある日、炊飯器で保温したご飯独特の臭いが、漆塗りの重箱に保存したところ、消えると気付いた。

 科学的に検証するため、地方独立行政法人「京都市産業技術研究所」に試験を依頼。三角フラスコ内に漆を塗った紙片と、足の臭いのもととなる物質「イソ吉草酸(きっそうさん)」を入れて密封すると、二時間後に臭いの99%が消えるとの結果が得られた。

 そこで、十年余り取引のある漆器製造販売会社「浅田漆器工芸」(加賀市山中温泉菅谷町)に靴用消臭アイテムの製造を頼んだ。同社は家族経営のため生産量に限界があり、浅田明彦(はるひこ)専務(32)が山中の塗り職人に協力を呼び掛け、三十〜七十代の九人が応じた。

 「応用力と発想力があれば新しい文化になりうる。商品をきっかけに漆の長所に触れ、最終的に漆器を知ってほしい」と荒井さん。浅田さんは漆、紙とも素材として環境負荷が少なく、コロナ禍で漆の抗菌作用にも商機があるとみる。「ピンチはチャンス。知恵を出し合って、良いものを作っていきたい」と話す。

 商品は漆と愛をかけた「漆Ider(アイダー)」と名付け、「あらい」のウェブサイトで九月三十日、販売を始めた。一足(二枚)三千五百円(税抜き)。五色ある。問い合わせはあらい=電0949(42)0323=へ。

消臭効果 応用研究に期待 


 漆の効能は抗菌作用が知られているが、消臭効果について、漆に携わる幅広い職種の人や愛好家でつくる日本漆工協会(東京都)の大内隆理事は「聞いたことがない。抗菌作用があるから臭いが消えるのか。これまでは塗料としての組織研究が中心で、応用研究はこれから進むのではないか」と指摘する。消臭アイテム開発には「漆器業界の厳しい状況を打破するために、新しい分野を切り開いてほしい」と期待を寄せる。

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