広島ニュースTSS
持続可能な社会に向けて広島の取り組みをご紹介する「みんなの未来」。1番の「貧困をなくそう」そして12番の「つくる責任つかう責任」こちらに取り組む東広島市在住の女性を取材しました。 鮮やかな色使いに。細やかな模様。 これらは、繊細な技法で表現された「インド刺繍」です。 およそ千年の歴史を誇る「インド刺繍」は一針一針、職人の手で手がけられています。 この刺繍に魅せられ活動する女性がいます。 東広島市志和町の「イトバナシ」インド刺繍をあしらったオリジナルの洋服や小物を扱う会社です。 社長で刺繍のデザイナーでもある伊達文香さんは、広島大学在学中にインド刺繍に魅せられました。 【イトバナシ・伊達文香代表】 「私たちはまだ3つの地域とだけやりとりしているんですけれども、その3つの地域だけでも刺繍の種類とか技法が全然違っていて育まれてきた背景とかもひっくるめて面白いなと思っています」 その魅力を語りだすと伊達さん、饒舌になります。 【イトバナシ・伊達文香社長】 「『カンタ刺繍』という刺し子のような刺繍なんですけれども、こういう風に波縫いでチクチク縫ってあるのが特徴の刺繍になっています。一説には言葉が生まれる前にこの刺繍が生まれていて、自分の家族の歴史を残していくために、この刺繍だけ唯一動物とか人が出てきたりします。次がチカン刺繍という刺繍なんですけど後ろに糸をたくさん張り巡らせているんですね。前から見たときにそれがすごく透けて葉っぱの葉脈みたいに見えるシャドーワークの技法がチカン刺繍の特徴ですね。アリ刺繍の特徴はインドのカシミールという地域で作っているんですけれどヒマラヤ山脈のふもとで寒い。インドでは珍しくウール素材に刺繍をしてます。技法はチェーンステッチという鎖網のような刺繍なんですけれどほかの2種類とは違った目の詰まった刺繍になっていますね」 大学時代、旅行やNGOの活動でインドに渡り、インド刺繍と出会い魅せられた伊達さん。 そこで知ったのは職人の実情でした。 【イトバナシ・伊達文香代表】 「多くは日雇いで不安定で、いい技術を持っている人たちが働いているので、どんどん今、職人をやめていっている現状を一番問題視していて、辞めるということはそこで技術だけじゃなくて文化歴史が途絶えれしまうことだと思うのでそこを絶やさないことが大切だと考えていて」 そこで考えたのが、フェアトレードでした。 現地価格のおよそ2倍で依頼し、現地の人々の生活を安定させる仕組みを考えたのです。 このプランを、学生向けのビジネスコンテストで発表。最優秀賞を受賞し、その賞金で5年前、ビジネスをスタートさせました。 現在、出身地の奈良と東広島の2か所に拠点を設けインターネットでも販売。40~50代を中心にリピーターが増えています。 【お客さん】 「刺繍の一針一針温かみを感じる感じでインドの方がお仕事がちゃんとあって、そのお手伝いができるのかなと思うと、またそれもうれしいです」 こちらはウェディングドレス。 特別な日の衣装として選ぶ人も。 【ウェディングドレスを注文した宮川南奈さん】 「インドの職人さんの手仕事という背景とか、伊達さんの思いも含めて素敵だなと思って、ブランド自体に共感をすごいしていて、本当に素敵な一着を作っていただけて今後も人生の節目でまた来たいなと、手元にお直しせず残してある」 伊達さんは、年に2度インドへ。 現在、3つの地域で合わせて50人の雇用につながっています。 労働条件の改善で、地域社会全体の底上げを目指します。 現地の人にとって、イトバナシの存在は? 【リタ・ナスカールさん】 「イトバナシから仕事を依頼され、とてもたくさんのお金を得たことで、職人たちの人生は少し変わりました。そのことが職人たちを勇気づけ彼らは大変喜んでいます」 順調に見えるイトバナシの活動ですが、新型コロナウイルスの影響を大きく受けました。 売上のメインだった百貨店のイベント販売が軒並み中止に。 売り場を失ったのです。途方に暮れた伊達さんでしたが、立ち止まりませんでした。 【イトバナシ・伊達文香代表】 「マスクが無くて困っているというお声を頂いたので、端切れというか、お洋服を作り終えた生地が結構たくさん刺繍入りで残っているんですね。それを活用してマスクを作ろうというので、おかげさまで今までも販売を続けているというような形です」 さらに、今、新たな取り組みも始まっていました。 【イトバナシ・伊達文香代表】 (Qこれって今何しようとされているんですか?) 「うちのお洋服を作るときに出てしまった端切れって、刺繍がこういう風に入っているんですね。捨てるのがもったいなくてずっとため続けていたんですよ。どうしようと思って」 こうして大量にたまった端切れはいつの間にか膨大な量に。「これを再利用したい」 おしゃれに組み合わせることでTシャツのアクセントにし、「世界に一つだけの捨てないTシャツ」作りを始めました。 来月から、クラウドファンディングで、賛同者を集め、注文生産。 ゴミをゼロにするまで続ける予定です。 【イトバナシ・伊達文香代表】 「持続可能な社会に向けてという意味では、まずは、好きなところで熱量をちゃんと持てる所から取り組むと、結局は一人ひとりがそれをできると、やっぱり好きという気持ちはすごくつながりやすいと思っていて、そういうところで色々な人とつながって一人じゃできないことも大きな力になってできていくといいのかなと、思っています。 なので『好きを大切にすること』ということなのかなと自分の中では思っています」
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