1978年にポリスがデビューした時、多くのロックファンは新しいパンクグループだと勘違いした。いや、勘違いさせられたのだ。ポリスの3人は豊富な音楽経験を持っているにもかかわらず、確信犯的にパンクやニューウェイブっぽい雰囲気を醸し出してロック界に新風を巻き起こした。彼らが活動した5年間にリリースしたアルバムは5枚。どれもロック史に残る傑作群だが、個人的にはデビュー時の衝撃が大きいので、今回は『アウトランドス・ダムール』を取り上げる。
ポリスと併行して、スティングは元ゴングのマイク・ハウレットの依頼で参加したストロンチウム90にドラマーが不在だったことから、コープランドに声を掛ける。また、ハウレットはギターにハイレベルの技術を持った英ロック界の重鎮アンディ・サマーズを呼び寄せていた。そもそもストロンチウム90はゴングのリユニオン・コンサートのための短期ユニットであったから、そのコンサートが終わるとスティングはサマーズにポリスへの加入を要請する。
『ストロンチウム90:ポリス・アカデミー』がリリースされた時、この作品こそがポリス結成のきっかけとなったと言われていたのだが、それは間違い。あくまでもストロンチウム90は短期のユニットであり、ポリスは別にパーマネントグループとして活動していたからである。スティングはポリスのギタリストのヘンリー・パドヴァーニの技術に難色を示しており、ストロンチウム90のセッションのおかげで、アンディ・サマーズという類い稀な才能と知り合えたからこそ、ポリスがデビューにこぎつけたのは確かである。
結局、サマーズはスティングに請われてポリスに加入する。パドヴァーニは、その1カ月後にコープランドから脱退するよう説得され、やむなく受け入れている。この両者の関係が当時どうだったのかは分からないが、2007年にリリースされたパドヴァーニのソロアルバムにはスティングとコープランドが参加し、同年のポリスのリユニオンツアー最終日にはアンコールでパドヴァーニの名前が呼ばれ「Next To You」を一緒に演奏しているぐらいなので、現在はそう悪くはないようだ。
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March 13, 2020 at 06:14PM
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パンク文脈から登場した職人グループ、ポリスの衝撃的なデビューアルバム『アウトランドス・ダムール』 - OKMusic
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