宮崎県綾町の「綾の手紬染織工房」(東諸県郡綾町大字北俣)が生産している国産絹・小石丸を利活用した作品アイデアを現在、Co-ishimaru Silk Projectが募集している。(ひなた宮崎経済新聞)
【写真】現在は皇室と宮崎県の「綾の手紬染織工房」のみで通年生産している小石丸
小石丸は江戸時代から存在する日本の蚕の在来種で、糸は軽く、しなやかで、作られた布は美しい艶が出るのが特徴。宮中の御養蚕所における皇后御親蚕でも用いられており、現在は皇室と「綾の手紬染織工房」のみで通年生産している。
Co-ishimaru Silk Projectは小石丸の魅力を伝えようと、同工房で藍染め職人として働く二上拓真さんが中心となって立ち上げたプロジェクト。現在27歳の二上さんは宮崎県国富町の出身。大学3年生の時に工房の先生と出会い、職人の道を志した。プロジェクト発足のきっかけを二上さんは「『伝統工芸を守ろう』とはよく言われることだが、具体的に何をすればいいのか、私たち職人自身も考える必要があると思った。プロジェクトを通して消費者と職人が寄り添える機会をつくりたい」と話す。
プロジェクトの第1弾として、「小石丸の着物生地を素材とした見本裂のリデザイン」をテーマに、小石丸の着物生地を素材とした作品アイデアを募り、デザインプランコンテストを実施する。独創性や素材との親和性、ストーリー性、機能性を審査基準とし、採用作品は香港のセレクトショップでの展示や「綾の手紬染織工房」が展示販売を行う。
二上さんは「着物がどのように作られているのかといった技術を語るのではなく、視覚的にプロダクトとして目を引くものがきっかけとなって小石丸や染物の世界観を深く知ってもらう機会にしたい。作品は着物であることにとらわれず、一枚の布でどう遊ぼうか考えてほしい。誰でも参加することができるので、先入観のない人からのアイデアも広く募集したい」と話す。
作品コンセプト、コンセプトが伝わるスケッチや写真といった資料、必要な素材容量を送ることで応募できる。参加無料。4月30日まで。
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