逮捕された男たちは、すし職人をかたって、ひったくりを続けていたとみられている。
江戸っ子のすし職人が激怒する、ある事件が起きた。
すし職人「すし屋をだしにして、かたってるんじゃねえよという気がする。そういうのをふてえ野郎だと下町ではいう」
事件があったのは、東京・武蔵野市のJR吉祥寺駅。
13日午前、構内を歩いていた91歳の男性に、突然、男2人が近寄り、「お久しぶり。前にあなたがよく来た、すし店の職人です。ちょっと買い物してくるから1万円貸して」と声をかけてきた。
なじみのすし職人を名乗った男たち。
声をかけられた男性が財布から1万円を取り出すと、それを奪い取って逃げたという。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、無職の藤枝茂容疑者(66)と鈴木勇治容疑者(71)。
2人は飲み仲間で、職人としてすしを握った経験はなく、口にした経歴はでたらめだった。
では、なぜ2人は、すし職人をかたったのか。
現場近くですしを握る、この道46年の江戸っ子大将からは怒りの声が上がった。
すし処 みこし・山本朗店主「すし屋をだしにしてふてえ野郎だと思う。それをやったらおしまいだよ。すし屋の信用をパクったんじゃないですか」
客「わたしはすしが好きだから、すし屋を名乗ってほしくない。何を名乗ってもよくない」
実は、同様の事件は、8月にも起きていた。
「おう、久しぶり。そこのすし屋のおやじだ。持ち合わせあるか?」と、やはりすし職人を装い、1万円を奪って逃走。
さらに、その5日後にも、被害金額は同じく1万円。
さらに2020年3月にも同様の被害があり、被害者はいずれも高齢者だった。
藤枝容疑者らは、計画的に高齢者を狙っていたとみられる。
70代「気をつけなければいけないし、1人歩きしない方がいい」
70代「今どき、すし店なんか行かないよ、誰も年寄りは。よっぽどお金持ちじゃないと」
高齢の容疑者が、さらに高齢の被害者から金を奪った卑劣な犯行。
取り調べに、鈴木容疑者は「盗んだことに間違いない。酒を飲んだりするためにやった」と、容疑を認めた一方、藤枝容疑者は「1万円で男性の代わりに馬券を買って手渡す予定でした。盗んでいません」と話し、容疑を否認。
警視庁は、現場周辺で相次いだ窃盗被害についても、2人の犯行とみて、慎重に調べを進めている。
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October 16, 2020 at 04:53PM
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