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Wednesday, November 18, 2020

幸田露伴の『五重塔』は塔の普請をめぐる二人の大工職人の話で… - 東京新聞

 幸田露伴の『五重塔』は塔の普請をめぐる二人の大工職人の話で当時の職人気質(かたぎ)がうかがえる▼手は抜かぬ。どんなに時間がかかっても丁寧に仕上げる。強いこだわりと自分がこしらえたものに対する意地と誇り。大嵐の晩。出来上がった塔は倒れまいかと寺の方では心配するが、大工は見に行こうとしない。「紙を材(き)にして仕事もせず魔術(てづま)も手抜もして居ぬ十兵衛(略)、暴風雨が怖いものでも無ければ地震が怖うもござりませぬ」▼地道な鍛錬に培われた、職人の技に名誉の日が当たる。大工や左官など、日本の木造建造物を守り伝える技術「伝統建築工匠の技」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される運びとなった▼建造物木工、茅葺(かやぶき)、漆生産、畳製作など十七件の技術。いずれも職人たちの苦労と辛抱によって現代にまで伝えてきた技である。それが世界から認められた▼悩みも抱える。後継者不足である。封建的なにおいも残る徒弟制度によって育てられるところもある職人の技。しかられることが苦手な今どきの若者たちはその世界に及び腰にもなるのだろう▼登録によって若者が伝統建築の魅力に目を向けてくれればと願う。職人さんといえば、控えめで自慢など野暮(やぼ)と考えるような人たちなのかもしれないが、この登録に大いに胸を張り、若者に自慢したらいい。それも伝統を守る役に立つ。

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