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Saturday, February 6, 2021

文化継承の願い編み込む 「いずみ」製作、大垣のわら細工職人 - 中日新聞

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稲束を編み込み、わら細工を作る安田政敏さん=岐阜県大垣市横曽根で

稲束を編み込み、わら細工を作る安田政敏さん=岐阜県大垣市横曽根で

 老舗の江戸前ずし店を支える道具「いずみ」を、ご存じだろうか。シャリを適度な温度、湿度に保つため、木製のおひつを収める伝統のわら細工だ。だが、作れる職人は今や全国でもごくわずか。その一人、岐阜県大垣市横曽根、安田政敏さん(70)は「文化を守りたい」と、途絶えることのない全国からの注文に応え続けている。 (芝野享平)

すべて手作業 納品5年待ち

 わら細工は、稲刈り後に乾燥させた稲の茎の外皮を剥ぎ、長さ六十センチほどに切りそろえた束を編み込む。安田さんは農業も営んでおり、自身で育てた稲を使用。保温や断熱効果があり、いずみのほかペットの寝床、鍋敷きも作っている。

 いずみは約二十年前に東京・浅草のすし店向けに製作したのを皮切りに全国から注文が入るように。しかし、全て手作業の上、材料の準備や仕上げなどを担った妻民代さんが三年前に亡くなり、現在の製作ペースは三カ月に一個にとどまる。

 注文を受けて納品まで五年待ってもらっているといい「一生作り続けても終わらないだろう」と話す。手を休めないのは、「作り手がいなくなれば、和食の代表格である江戸前ずしの正しい継承もできなくなる」との思いからだ。

 安田さんは総...

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