
静岡県内の大学生のグループがインターネットの通販サイトを活用して、駿河竹千筋細工や静岡挽物(ひきもの)といった伝統工芸品の販売支援を始めた。「若者に知られていない伝統工芸品の魅力を発信したい」。デジタル技術が苦手な職人に代わって、匠(たくみ)の技に魅力を感じる新たなファンをネットで探している。
静岡大教育学部2年の天坂晋さん(20)ら4人が、会社と電子商取引(EC)サイト「匠宅(たくたく)」をこのほど立ち上げた。メンバーは天坂さんの構想に賛同する静岡大、東海大の知人の集まりで、職人技術の結晶である工芸品に特化した通販サイト運営に可能性を感じた。
静岡大理学部2年福川正真さん(20)は「工芸品の魅力を広めるようなマーケティングに興味がある」と参加の動機を語る。
県郷土工芸品振興会の事務局に販売支援を直談判してサイトの立ち上げにこぎ着けた。学生が職人に直接インタビューした紹介文に価格、写真を添えて掲載する。高齢者の多い職人に負担だったサイトの運営管理や顧客とのやりとりを学生が請け負う。
現在出品する企業は8社。駿河漆器製造の鳥羽漆芸(静岡市駿河区)は、漆塗りのワイングラスやさかずきを出品する。鳥羽俊行代表(62)は「新型コロナ禍で都内向けの販売が低迷している。若い発想を生かしたPRが、新たな販路開拓につながれば」と話す。
今後はSNSを活用して、商品や製造工程の紹介といった情報発信を強化し、漆器と地酒のセット販売なども検討している。
振興会長で駿河蒔絵(まきえ)職人の大内啓三さん(71)は「継続的なサイト展開で、工芸品の認知度向上や販売増につなげたい」と若い力に期待する。
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