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Wednesday, June 9, 2021

縄文時代の薫製を「次世代に」 北海道・岩見沢の職人、低温でうま味凝縮 - SankeiBiz

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 縄文時代の作り方、だけど現代の食に合うような逸品を-。北海道岩見沢市でそんな薫製作りに挑む職人がいる。低温で食材をじっくりいぶし、生ハムのようにうま味を凝縮させるのが特徴。鹿児島県の遺跡で縄文人が食材をいぶした跡が見つかり、薫製は当時からの食文化だったと考えられる。携わり始めて40年。「次世代につなげていく集大成に」と意気込む。

 市川茂樹さん(65)が夫婦二人三脚で営む「市川燻製屋本舗」は2005年創業。5月下旬、店舗隣接の調理場で三枚におろしたサバとサクラマスを網の上にずらりと並べ、酒と酢を丁寧になじませた。艶やかな身を薫製器に入れて火をたくと、煙が管を通って薫製室に流れ込み、一面に爽やかな香りが広がった。

 「今は試作中。夏までにサバの縄文式薫製を仕上げたい」と市川さん。スモークサーモンを扱う札幌市の水産加工会社に25年間、営業マンとして勤めたが「塩辛くない、煙たくない薫製を作りたい」との思いから退職。段ボールやドラム缶での薫製作りから始めた。

 イカ、タコ、カキ、ホタテ、タラの白子-。これまで試してきた食材は数え切れない。転機は17年。縄文時代に詳しい知人から「当時の薫製を作ってみないか」と声をかけられたことだ。何でも挑戦しよう。はるか昔にどのように薫製が作られていたのか、思案する日々が始まった。

 鹿児島県霧島市の上野原遺跡では食材をいぶしたと考えられる縄文時代の遺構が見つかった。薫製には高温でいぶす熱燻や温燻、低温で長時間いぶす冷燻があるが「施設の造りからして冷燻だったのでは」と推測する。

 市川さんも道内産木材でできたチップを燃やし、管でつなげた薫製室に煙を送ることで冷燻が作れる薫製器を使用。上野原遺跡で見つかった遺構と似たやり方で試作を繰り返している。

 味にこだわり、追求し続けてきた市川さんが「最終形」と位置付ける縄文式薫製。「最後は自分の舌で確かめ、納得のいく味に」と力を込めた。

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