テレQ(TVQ九州放送)
アナウンサー: 9月に入ってずいぶんと過ごしやすくなりましたね。しかし何か物足りなさを感じませんか?新型コロナの影響でこの夏は何にもせず季節感が無いまま秋になったというか、盛り上がりに欠けたというか…。そこで今回はこんな依頼を調査してきました。 夜空を彩る花火!夏の風物詩として多くの人を楽しませてくれますが、今年は去年に続き新型コロナの影響で県内のほとんどの花火大会が中止になってしまいました。そこで・・・ 「コロナ禍で中止が相次いだ花火大会。花火工房は大丈夫?」 福岡県宮若市に工場を構える西日本花火です。こちらは関門海峡花火大会や、筑後川花火大会などをはじめ例年はひと夏に約100カ所の花火大会を請け負ってきました。社長の木塚さんです。 西日本花火 木塚剛 社長: 去年からコロナの影響で花火の現場がほとんど、90%の現場が無くなってしまって、それまでに作りためた玉を今後どうしていくのかと途方に暮れている状況。 通常、花火は夏のシーズンに備え、前の年の秋から製作に取り掛かります。しかし新型コロナの影響で花火大会の多くが中止になり去年作った花火の在庫が積み上がっている状況なのです。 そのため15人体制だった花火作りは現在、木塚さんと息子の勝也さんの2人だけ。他の従業員は自宅待機となり雇用調整助成金で凌いでいます。 西日本花火 木塚剛 社長: 花火の業界は不況には強かった、今までは。不景気になってもお祭りだけは花火だけは景気づけにやろうよというケースが多かったので、こういう状態というのは どの業者も想定はしていなかったと思う。 花火業界の慣例も状況をさらに悪化させました。多くの工房では夏が終わると翌年の花火シーズンに間に合わせるため主催者と正式な契約を交わす前に花火作りを始めます。そのため正式契約の前に主催者から「今年は中止」と言われても何の補償も受けられないのです。 木塚さん親子の2人きりでの作業は1年以上に及びます。 西日本花火 木塚勝也さん: 僕らは現場以外ではこうやって地道にひっそりと(花火)玉を作っているだけだが 現場に出てお客さんに見てもらうことで昇華される。頑張ってきてよかったなという実感が味わえるので、それをできない今がもどかしい」 この状況を打ち破ろうと木塚さんは新たなビジネスのアイデアを練っています。広い土地を持つ旅館などと提携し、個人や企業向けにプロポーズや結婚式、パーティーなどでのサプライズ花火を売り込もうというのです。 こちらは企業の20周年記念パーティーでの花火。夜空に見事「20」の文字を浮かび上がらせました。 そして大野城市の小学校の卒業式では子供たちに花火をプレゼントしたいという保護者からの相談を受けて仕掛け花火を作成。一生の思い出つくりのお手伝いをしました。高いと思われがちな花火ですがこちらでは20万円から受け付けています。 西日本花火 木塚剛 社長: コロナ禍で仕事を待っていても仕方ない。少しずつ前をむいて回転していけば、小さいものが今後大きくなる可能性だってある。可能性を秘めたものを大切に、大切に今から来年に向けてやっていけたらと思っている。 すでにいくつもの予約を受けているサプライズ花火ですが業績をさらに伸ばすためには課題もあります。行政が管理する公園や広場では打ち上げの許可が下りづらいのです。 福岡市の大濠公園はサプライズ花火の需要が非常に多いものの許可が下りることはまずありません。3年前まで大規模な花火大会が実施されていたのになぜなのか、公園の管理事務所を直撃しました。 大濠・西公園管理事務所 尾崎孝行 所長: 大濠公園自体、もともと火気厳禁で火を使えない公園として指定管理を行っている 以前は花火大会をやっていたのに火気厳禁? 大濠・西公園管理事務所 尾崎孝行 所長: 公園の周りが住宅街になっていてこの環境の中では騒音の問題もある。緑地帯もあり火事の心配もあるので誰が来ても火気厳禁ということで連絡している。 大濠公園で花火大会が始まった当時は周囲に住宅が少なく、その流れもあって毎年続けられていました。しかし現在は周辺環境が大きく変わったため、人が集まらないサプライズ花火であっても火を使う花火の打ち上げはできないということです。 コロナ禍で厳しい状況が続く花火業界。しかしこの状況は2人きりで作業する木塚社長と勝也さん親子にこれまでにない、ちょっといい効果をもたらしました。 西日本花火 木塚勝也さん: 最初は静かな工場で社員のいない静かな環境に慣れなかったけれども、(父が花火を)作っている背中を見られるというのは貴重な体験。コロナ禍でも普段できない作業を2人でやって学べる。 そして木塚社長も・・・ 西日本花火 木塚剛 社長: じかにいろんな話をしながら花火のことについて語り合うというのは、こういうことでもないとなかったのかなと思います。振り返ってみれば貴重な時間だったなって思える時が多分来るだろうなと思います。 コロナ禍の厳しい状況で深まった親子の絆。来年こそは大勢の観客の前で夏の夜空に美しい大輪の花を咲かせてくれるに違いありません。 アナウンサー: やはりコロナが収束しないと花火業界は厳しいですね。 それでは今回のお題、「コロナ禍で中止が相次いだ花火大会、花火工房は大丈夫?」 に対する答えは…「花火大会に頼らない新たなビジネスを模索中。都心での場所確保が課題」でした。
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