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Wednesday, September 29, 2021

「南部美人」「八海山」も... 酒造メーカーのクラフトジン参入が相次ぐワケ<WBS>|テレ東プラス - テレビ東京

sanubaripanas.blogspot.com

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八海醸造がニセコ蒸留所で作っているクラフトジン

黒いビンに入ったお酒...今から119年前、明治35年に創業した岩手県の老舗酒造「南部美人」が2021年8月に発売した蒸留酒「ジン」です。一方、「八海山」で知られる八海醸造のグループ会社は27日、ジンなどを作る、新たな蒸留所をお披露目しました。実は今、酒造メーカーなどによるクラフトジン市場への参入が相次いでいるのです。いったい、なぜなのでしょうか。

東京・千代田区にあるジンの専門店「グローバルジンギャラリー」。世界から集めた120種類以上のジンが並びます。コロナ禍で、訪日外国人のインバウンド需要や飲食店向けの需要は落ち込んだといいますが、一方で売り上げは落ちておらず、コロナ前に比べ1〜2割伸びる月もあるといいます。

「バーがやっていないので、ここで買ってご自宅で飲まれる方がかなり増えました」(同店の髙山憲吾代表)

自宅で飲む人に最近人気なのが国産のジン。日高昆布を漬け込んだ北海道産のジンなど、日本の食材を生かしたユニークな商品が増えたといいます。しかし、なぜ自宅飲みでジンが選ばれるのでしょうか。

店に来ていた客は「飲み方がいろいろできる。ロックで飲んでもストレートで飲んでも。僕は家ではトニックウォーターで割ってジントニックとして飲むのですけれど、作るのが簡単ですね」と話します。柑橘類などとの組み合わせの相性もよく、インスタ映えすると、女性人気も高まっています。

ジンの需要が高まる中、新規参入する企業が相次いでいます。2019年に設立されたニセコ蒸留所は10月1日にグランドオープンしますが、こちらの蒸留所は、日本酒「八海山」で知られる八海醸造のグループ会社です。消費者のニーズの多様化に応えるため、ウイスキーの蒸溜所として作られましたが、オープンに合わせて発売するのはジンです。

なぜウイスキーに先駆けて、ジンを販売するのでしょうか。

ニセコ蒸留所の広報は「ウイスキーはどんなに短くても3年寝かせないといけない。その期間も(酒を)有効に作っていきたいという思いからジンを作っています」と話します。実はジンは熟成する必要がないため、ウイスキーが熟成するまでの間、短期間で製造・販売することができるといいます。

さらにジンを選ぶもう一つの理由は、使うボタニカル(ハーブやスパイス)によって地域の特性を出せる点です。ジンは蒸留酒に「ジュニパーベリー」というスパイスを加える必要があるだけで、ほかは何を加えても自由です。そのため地域の特色を出しやすく、クラフトジンを作りやすいといいます。

新商品では、ニセコに自生するハーブ「ヤチヤナギ」と、北海道の名産品「ニホンハッカ」を加えて、北海道らしいクラフトジンに仕上げました。

「ニセコ町の町の花がラベンダーなので、地元の高校生が育てたラベンダーを使って作ったりもと、どんどんと地域性を出していきたいなと思っています。軌道に乗れば、海外の方にも輸出していきたいと思います」

ビールを蒸留しジンへと生まれ変わらせる

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「ヤッホー・ブルーイング」ではビールからクラフトジンを製造している。

実は世界的にもジンの市場は成長していて、2027年には2020年の1.4倍近くとなる1兆4000億円まで拡大するという調査もあります。

クラフトジンへの参入を決めた栃木県の老舗酒造メーカー「西堀酒造」は、ある事情が決断を後押ししたといいます。このメーカーでは10〜3月に日本酒を醸造しているため、従業員の夏の雇用が課題でした。またコロナにより売り上げが2〜3割減ったのです。大きかったのが、国からの事業再構築補助金です。コロナで売り上げが減少した企業の業態転換などを支援する制度で、今回、この補助金を使って蒸留設備を整える計画です。

一方、よなよなエールなどで知られるクラフトビールの「ヤッホー・ブルーイング」は、昨年から意外な理由で、クラフトジン作りを始めました。使うのは山と積まれたビール樽です。新型コロナを受けた営業制限で、直営のレストランに出荷できなくなったものです。

同社のクラフトジン事業責任者の山崎紗也加さんは「カレーとか食材として使うなど、何かできないか模索したが、料理に使うと少ししか利用できない。大量の余剰ビールを生かすとなるとクラフトジンが向いていた」と話します。

長野県の老舗酒蔵「戸塚酒造」が、そば焼酎を作る際に使う蒸留器でビールを蒸留し、アルコール濃度を高めた基本となるベーススピリッツを作ります。これにハーブなどを加えると、ビールがジンに生まれ変わるのです。

「柑橘系の香りや、草っぽいグラッシーな香りであったり。モルト(麦芽)の柔らかさも出て、ビールを感じる味わいです」(山崎さん)

独自の味や香りを作ることができるクラフトジン。今後も参入する企業が出てきそうです。

※ワールドビジネスサテライト

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