福島テレビ
福島県須賀川市の吉田末良さん。昭和６年１月２９日生まれの９０歳。 年齢を感じさせない力強い動きで作業しているのは「杉の木の伐採」・・・吉田さんは現役の木挽き職人だ。 吉田末良さん：「１４歳からやってるから、７６年やってる（Q：軍手も何もしないですけど、ケガとかしないんですか？）ケガ？ケガはしたってそのうち絆創膏貼っておけば３日もするとなおるから」 父親と木を伐り始めたのは１４歳の時。高い場所の枝打ちから手作業での丸太の製材と、普通は専門が分かれる作業を吉田さんは全て一人でこなした。 戦後復興から高度経済成長への移行期にかけて、木材需要が高まった昭和３０年代。輸入自由化により、昭和４０年代には海外から多くの丸太が輸入された。 当時、国内の機械では丸太を製材できず、チェーンソーでまっすぐ真っ二つに切るしかなかった。この技術は「挽き割り」と呼ばれ、東北では吉田さんだけが持っているものだったという。 吉田末良さん：「昭和４０年から５５年までで、だいたい１５年やったの。その頃は、田中角栄の時代で景気が良くて住宅出たり、新幹線・高速道路出来て」 高齢になりできる作業は減ったが、７６年間で大きなケガをしたことは一度もない。 吉田末良さん：「普通だと９０歳では危なくて頼まれないけど、次から次へと頼まれるの。頼まれるから、疲れたときは休みながら。休みながらやると、だいぶできるの」 そんな吉田さんの息抜きは、温泉に入ること。そこで出会う人たちとのコミュニケーションが、何よりの活力につながっている。 吉田末良さん：「長生きの秘訣は、毎日汗かくくらい仕事やること。こういう急なところ、登ったり下ったりしていれば、体って言うのは使えば使うほど丈夫になってくんの。こんなコロナに負けてらんねえ。地球上にいる最高級の動物が、顕微鏡で見るような細菌に負げでいられない」 ９０歳の現役木挽き職人。気力・体力はまだまだ衰えることはない。 吉田末良さん：「体がきくうちだけはやる！」
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