「3児の母」から「職人」へ…染め職人を志す48歳女性
新潟・新発田市の住宅街。 自宅の庭で石を立てる遊びを楽しんでいたのは、斉藤さん家族。 3人の子どもを育てる斉藤優子さんの表情が、優しいお母さんから真剣な眼差しに変わるのが、仕事場。生地に熱した染料を注いでいく斉藤さんの仕事は…? 斉藤優子さん: 染め職人として働いている 斉藤さんは、阿賀野市で江戸時代から手ぬぐいや祭りのはんてんなどを製造している「越後亀紺屋 藤岡染工場」で、染め職人として働いている。 斉藤優子さん: 注染(ちゅうせん)という染め方をするんですけど。染料を上から注いで、下から吸い込むことで均一に染料が行き渡る
同期は21歳年下…37歳で飛び込んだ職人の道
48歳の斉藤さんが話しているのは、27歳の職人・阿部紗也さん。 斉藤優子さん: 職人として同期。(年齢は)親子ほど違うけど 年齢差がある斉藤さんと阿部さんだが、職人歴は一緒。 斉藤さんが職人を目指したのは37歳の時で、それまでは子育てをしながら、パートでウエイトレスなどをしていた。 斉藤優子さん: 3人目の子どもを産んだときに、好きなことを仕事にしたいなとすごく強く思って、「働かせてください」と飛び込んだ 斉藤さんは、もともと柄や色が豊富な手ぬぐいが大好きで、子育てにも愛用していた。 斉藤優子さん: 子どもが川遊びでぬれると、(手ぬぐいを)腰に巻いてパンツのかわりにした 大好きな手ぬぐいが阿賀野市で作られていることを知った斉藤さんが、藤岡染工場の門をたたいたのは2011年のこと。一番下の子どもが1歳の時だった。 斉藤優子さん: 子どもが将来好きなことができるように、好きなことをしている母親を見せたかった
デザインコンペで落選…悔しさをバネに作り始めた「ふんどし」
藤岡染工場の代表・藤岡修さんは、斉藤さんが入社した当時をこう振り返る。 藤岡染工場 藤岡修代表: 意欲を感じた。より良い職人になっていくだろうと 藤岡染工場では、江戸時代から続く手ぬぐいを多くの人に楽しんでもらいながら、職人の技術を高めようと、4人の職人によるデザインコンペを開催している。 社員による審査で、毎年新しい柄の手ぬぐいを発売している。 藤岡染工場 工場長 野崎あゆみさん: (デザインコンペは)職人の意識を高め合って、向上心につながる 手ぬぐいのデザインを競い合う社内コンペを、職人も楽しんでいるようで… 斉藤さんの同僚・阿部紗也さん: 採用されると、何度もその商品を見て、うっとりしている 斉藤さんの同僚である阿部さんがつけているマスクは、手ぬぐいから作ったもの。 斉藤さんの同僚・阿部紗也さん: 斉藤さんの(コンペでデザインした)金魚…。デザインも技術も競い合うライバルだけど、なんでも話し合える大好きな職人 斉藤優子さん: わたしのデザインが採用されないと悔しくて… デザインコンペで落選すると、職人魂に火がつくという斉藤さん。 その悔しさをバネに作り始めたものがあった。 手ぬぐいの生地を切り、ミシンで縫って、ひもを通すと、完成したのは… 斉藤優子さん: わたしが作っているのは、ふんどしです。自分で染めた手ぬぐいを使って、ふんどしを広める活動をしている 鍼灸院に通っていた斉藤さん、締め付けの少ない“ふんどし”のよさを教えてもらったのをきっかけに、手ぬぐいで作ってみたのが6年前だった。 斉藤優子さん: あまりにも履き心地がよくて、すごく体調もよくなったので、これはもう皆さんのお尻につけてほしいなと思って ふんどしの良さを実感した斉藤さんは2021年、その心地よさを多くの人に広めようと、染め職人をしながら、自らのブランド「ふんどしゆうこ」を立ち上げた。 商品開発では、夫の隆さんも協力している。 斉藤さんの夫・隆さん: トランクスとかブリーフのように、ゴムで締め付ける感じがしなくて、悪くはない。本人は絶好調みたいなので、応援している 斉藤優子さん: 仕事が終わってから、工場を借りて染めさせてもらっている 生地のデザインは、斉藤さんのオリジナル。 仕事以外で会社の設備を利用することは、藤岡染工場の代表・藤岡さんが許可した。 藤岡染工場 藤岡修代表: 技術の向上にもなるし、励みにもなる。今後のことを考えるとプラスになるんじゃないかと 斉藤優子さん: わたしの活動で、会社のファンになってもらうのが目標の一つ
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