
村山恵二
脳梗塞(こうそく)で半身不随になった茨城県鹿嶋市の83歳男性と妻が、歩行を助けるベルト式の装具を8年かけて独自に開発した。低価格で装着が簡単なのが画期的だ。2人は「多くの人に知ってもらい、同じ症状に悩む人たちの不便を解消したい」と話している。
「アランシューズ」と名付けた歩行具を開発したのは、都内で木工所を経営していた市川繁吉さんと妻とみこさん。繁吉さんは2013年3月に自宅で倒れ、半身不随に。左足の感覚がないため、つま先が下がって地面に引っかかり、うまく歩けなくなった。
歩くためには、つま先を持ち上げる装具が必要だった。保険適用の装具をつけてリハビリを続けたが、違和感を感じた。
ひざ下まである大きな装具のため、蒸れてかゆくなってもすぐに外せず、足をかくことができない。靴の内側に装具をつけるので、サイズの大きな靴をはかなければならない。お気に入りの靴があっても、左右のサイズ違いで2足買う必要があった。
元々は職人だった繁吉さん。いろんなアイデアが浮かび、ベルト式の簡単な装具を考えついた。ゴムを使ったり、バネを使ったり、妻と一緒に50回以上の試作を重ねて完成したのがアランシューズだ。
牛革と合成繊維製で、足首に巻き付ける部分、つま先を持ち上げる部分、両者を結ぶベルトからなる簡単な仕組み。100グラムほどと軽量だ。慣れれば片手でも装着できる。
「つま先が下がらないため、杖を使って歩けるし、蒸れない。靴の上から装着するので靴を2足買う必要もない」と繁吉さんは話す。
価格は1万4800円。アランシューズを取り扱っている牛久市のサワムラヤ靴店によると、これまでに11個が売れた。買った人からは「歩きやすくなった」という声が寄せられているという。繁吉さんの所でも買うことができる。
問い合わせは、同靴店(029・873・2725)か、繁吉さん(0299・69・7629)へ。(村山恵二)
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