約1200年前に弘法大師・空海が開創した高野山(和歌山県高野町)に、地元産のホップを使ったクラフトビールが誕生した。町や県内の民間企業が協力して開発、今年度中に宿坊で提供する予定。空海は、飲酒について仏教者に大きな禍(わざわい)を引き起こすと戒める一方、病に効果があるとして部分的に認めていたとの見方もある。外国人観光客も増える中、仏教の聖地のクラフトビールは新たな名物となるか。(山田淳史)
クラフトビールは「天空般若(はんにゃ)」と命名され、11月25日に町内で開かれたお披露目会で、開発した高野町クラフト般若協議会の関係者や町民らが乾杯して試飲した。
町などでつくる協議会の会長を務める平野嘉也町長は「今日は着地点ではなくて出発点。地に足のついた産業として、しっかりと根付かせていきたい」と意欲を見せた。試飲した町内の60代女性も「のどごしもよくて飲みやすい。高野山名物になると思う」と太鼓判を押した。
空海が、弟子や信徒への戒めを25カ条で示した遺言とされる『御遺告(ごゆいごう)』。その19条(以下現代語訳)では酒について、「仏教者にとっては大きな過を引き起こす」と厳に戒める一方、病気療養中の者が薬として飲むのであれば、「塩と酒は許される」と読める部分もある。記述には古来さまざまな解釈があるが、このように飲酒を部分的に許容したとする見方もある。
高野山ではこれまでも、山麓の蔵元「初桜酒造」(同県かつらぎ町)が醸造した地酒「般若湯(はんにゃとう)」が観光客らに提供されている。同社のホームページでは御遺告の酒に関する記述を詳しく紹介し、「当時の高野山の冬は非常に厳しい寒さであったことが想像されます。そんな極寒の冬場には、一杯の日本酒が僧侶たちの心と体を温めたことでしょう」と推測している。
その真意はともかく、高野町では過疎化や少子高齢化が進んでおり、クラフトビールは地域活性化の起爆剤として企画された。高野山でしか飲めない限定ビールという触れ込みだ。
奈良との県境にある標高約600メートルの富貴(ふき)地区で、耕作放棄地を活用しホップを栽培した「三ツ星ファーム」(同県橋本市)の尾上文啓社長は「ホップは、もともと涼しい地域で育つ植物。夏場でも比較的涼しいこの地域ならば栽培できると思った」と話す。
平成30年に約5アールで栽培を始め、40キロを収穫。翌31(令和元)年には約10アールに増やし、80キロの収穫に成功した。
醸造は和歌山市でクラフトビールを手がける株式会社吉田が担当。吉田友之社長は「一般のビールは乾燥ホップを使うが、天空般若はフレッシュなホップを使っているので、香りや味の深みが違う。プレミアム感を出したかったので、濃い味にした」と仕上がりに自信をみせる。
完成したクラフトビールは10月、高野山真言宗の総本山金剛峯寺に奉納。添田隆昭執行(しぎょう)長は「周辺の農業が衰退している中、新しい産業ができてうれしい」と歓迎した。平野町長も「天空般若の販売を核に、耕作放棄地の解消や移住者拡大につなげていきたい」と話している。
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January 02, 2020 at 02:00PM
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空海は飲酒を認めた? 仏教の聖地、高野山クラフトビールの味(産経新聞) - Yahoo!ニュース
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