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Monday, August 3, 2020

天草でクラフトビール、熊本の美容師 ホップも栽培 - 日本経済新聞

熊本県天草市で製造されたクラフトビールが5月に出荷された。手掛けるのは「AMAKUSA SONAR BEER」代表の荒木信也さん(41)。熊本市で美容室を経営する傍ら、ビール製造のために原料のホップも自社栽培している。生産規模はまだ小さいが、荒木さんは「毎日面白くて仕方ない」とビール造りに没頭。中国や台湾からも商談がきており、注目を集めている。

ビール造りは奥が深いと話す荒木信也代表(熊本県天草市)

ビール造りは奥が深いと話す荒木信也代表(熊本県天草市)

荒木代表の農園で栽培しているホップ(6月、熊本県天草市)

荒木代表の農園で栽培しているホップ(6月、熊本県天草市)

天草のクラフトビール醸造所はクラウドファンディングを活用して建設した。3月から製造を始め、5月に初のビールとして、濁りがありホップが香る「フランシスコ」(330ミリリットル、税別650円)と、天草産のかんきつ類、パール柑(かん)を使った「ホワイトパール」(同、同750円)の2種類が完成した。

フランシスコは苦みを抑えた柔らかな口当たり、ホワイトパールはかんきつ系の爽やかな味わいが特徴だ。県内の酒店などに約3000本を出荷。いずれも女性からの人気が高いという。

最近では新型コロナウイルスで苦しむ飲食店を支援する世界的なイベントに賛同し、期間限定のビールを製造するなど、新たな商品開発にも力を入れている。

現在の生産規模は月産約4500本とまだ小さいが、今後生産体制を拡充し、5年後に同2万本の目標を掲げる。販売面でもインターネットで受注できる体制を整え、中国・上海や台湾への輸出も視野に入れている。

原料のホップは醸造所に隣接した約2000平方メートルの土地で17種類を栽培する。ホップは北緯35~55度(日本では西日本~北海道)が生育に適しているという。32度に位置する天草市では、生産が盛んな東北地方と比べ収量が約半分ほどだが、ビール生産の拡大を見据え、栽培面積を広げる計画もあるという。

天草市出身の荒木代表は、高校卒業後に上京。美容師となり、東京・原宿の美容室で勤務したこともあったが、当時飲んだベルギービールの味にほれ込み、自分でもビール造りがしたいと2013年に熊本に戻った。

今でも美容師としての仕事は続けており、経営する熊本市の美容室と天草を毎日、車で約2時間かけて往復している。「ビール造りは奥が深く、まる一日食事をすることを忘れることもある」と話す荒木代表は、「複業」を楽しんでいる。

(熊本支局長 石原秀樹)

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August 03, 2020 at 04:30PM
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