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Monday, November 23, 2020

常にチャレンジと進化を続ける職人たちの、変わらない「正直なものづくり」の精神。まごころを贈る、こだわりの桐箱づくりへの想い。 - PR TIMES

山形市の伝統工芸品である山形桐箱や木箱を製造して創業90年になる有限会社よしだ。「正直なものづくり」の精神は、材料から仕上げに至るまで徹底され、日々丁寧な品物を作り続けています。

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有限会社よしだについて

 創業は昭和5年。初代吉田長助がお膳や重箱の木地師職人だった技術を生かし桐箱の製造を始めました。その後、二代目吉田長四郎が家業を継ぎ、越中富山の置き薬桐の引き出し箱の全国への出荷や、地場産業である米沢織物や山形鋳物等を入れる桐箱や、さくらんぼの桐箱をいち早く考案し事業を拡大。

 平成3年より三代目の吉田長芳が京都での修行を経て、代表として従事しています。

 桐は、古くから大切なものを保管する箱や箪笥、日用品などに使われてきた日本人の生活シーンに馴染みある木材です。しかし、国内の桐生産量は昭和34年をピークに下がり続け、現在はピーク時の2%程度になっています※。

※日本特用林産振興会Webサイトhttps://nittokusin.jp/bunkazai_iji/kiri/

近年は素材そのものへの国内需要は増加傾向にあるものの、使われる桐は中国や北米等からの輸入素材が主流になり、地場産業の衰退等から箪笥や桐箱への需要は減少が続いています。

 そこで有限会社よしだは、新たな試みとして、生活者向けにスマートフォン用スピーカー「KIRINONE(キリノネ)」や、初版本や貴重本など「あなただけの重要文化財を守る『本の正倉院』」、おいしいパンをより美味しくするパン好きのための桐製ブレッドケース「吉田パン蔵」など、桐箱製造で培った技術と桐が持つ素材優位性を活かし、1個から作成できる強みに着目したオーダーメイドの製品開発を行ってきました。

その背景には、移り変わる需要の変化や時代の流れのなかで、先人たちが現代に至るまで脈々と伝え続けた昔ながらの技を根底に、日々新しいことへのチャレンジと進化を続けてきた職人たちの不断の努力がありました。

時代とともに変化した桐箱とよしだの歴史

吉田長四郎:

有限会社よしだは、先代である父、長助の代から始まりました。父は、もともとお膳や重箱をつくる木地師職人でした。その技術を活かし昭和5年に桐箱の製造を始めたのが、よしだのはじまりです。

 よしだの仕事は、通常朝6時から始まります。春と年末年始は繁忙期で、その季節は5時から始まりますが、朝方は近所迷惑にならないよう、静かにできる作業から始めます。創業以来、桐箱を中心に木箱一筋で製造して参りました。現在は、既製品の箱でなく、お客様に合わせた完全オーダーメイドの箱作りをモットーとして、1個からでも大量ロットでも承っています。

柾材を厳選して使用して、仕上げまで手を抜きません。サンダー仕上げの箱が多くなりつつある中、桐本来の艶と木目の美しさを活かした円盤仕上げにこだわりを持っています。今はこうして桐箱を中心に製造していますが、よしだの歴史は、時代とともに変化してきました。

吉田長芳:

 私は小さい頃から、父ではなく祖父である長助から「お前は跡継ぎだ」と言われ続けていました。祖父から父へと受け継いできたものを、自分の代で無くすのももったいないと思いあとを継ぎました。

家にはない技術を身につけるため、日本でも有数の木箱生産の技術を持つ京都に修行にでていました。残業の毎日で、年末は夜の0時が定時と、決して楽ではありませんでしたが、「石の上にも3年」と思ってやりました。結局なかなか辞めることは出来ず、5年やりましたがその間、色んなことを学ばせて頂きました。

吉田長四郎:

  ところが、息子が帰ってきたころには仕事がなくなっていました。次に手がけることになった桐の照明器具でまた3年間修業。しかし、その仕事もなくなって……。残ったのは借金だけ。この時期は本当に辛いものでした。

吉田長芳:

 バブル崩壊にともない仕事が激減したことで「もうダメだ、別の仕事をしよう」と思ったことは何度もありましたが、「この仕事しかないんだ」と、腹をくくっていたことが支えになりました。この商売でやっていけるというふうに思えるようになったのは、ここ最近になってからです。

地道に、真面目に、正直に

吉田長四郎:

  父が常々言っていたのは、約束を守るということ。納期も支払いも。材料やお金は、自分のものではなく、預かっているんだ、と教えられてきました。伝統よりも何よりも、それがよしだの誇りであり、受け継いできた理念です。良い時も苦しい時も、それを忘れない。「座って半畳、寝て一畳」この言葉は創業時の気持ちを表すもので、地道に、真面目に、正直に仕事をすることが、作り手や使い手の幸せにつながるものだと思っています。

捨てられる箱は作らない

 幸せを感じるのは、良いものが出来たとき。そしてそれが届けられてお客様の笑顔につながった時です。ですから品質も妥協しません。やすりを使うサンダー仕上げが主流にあって、うちは円盤仕上げという工法を採っているのはそのためです。円盤仕上げだと、光沢が、桐の素材そのものの感覚が表れますが、サンダーだとそれを殺してしまい、その差は歴然です。うちはそういう箱は一切作りません。触った瞬間のぬくもりが感じられるものを届けたいと思っています。私は「捨てられる箱は作らない」と言っています。

まごごろを贈る役割を担う桐箱

吉田長四郎:

贈り物がある限り桐箱はなくならないと思っていますが、時代にあったものを作っていかなければ、生き延びていけないとも思っています。

吉田長芳:

ウェブサイトをリニューアルした時に、SNSを知り、そこから山形で木を使った色んな取り組みをしている人がいることを知りました。こういう人達と何か一緒にできたらいいなと思って、のちの『木の会』のメンバーとなる8人に会いに行ったのが始まりでした。

その『木の会』繋がりで米びつの話につながりました。グッドデザイン賞を受賞したこの米びつには、デザイナーの草島さんを始め、色んな人の知恵が集約されていて、とくに見た目の美しさや、ここで使われた技術は、『木の会』の渡邊さんという方に教えてもらったものです。伝統を守る方法は色々あって、こうした新たな取り組みも、またひとつ伝統を繋いでいくものだと思っています。

 「人のまごころを贈る役割を、桐箱は担っている」と思っています。ある程度の技術は、それなりの年数を積めば誰でも習得可能ですが、そこから先はその作り手の心だと思います。技も磨くと同時に、心も磨いて、最高の箱づくりを今後も続けて参りたいと思います。

東北芸術工科大の学生との交流、若手の育成

 有限会社よしだが東北芸術工科大の小林伸好教授から漆塗りを教わったのをきっかけに、2018年度から同大学の学生とのコラボレーション企画が始まりました。この企画は、学生が案を持ち寄り、吉田と五十嵐舞子の職人2人が具現化するというものです。

吉田長芳:

 「学生の思いを形にできて良かった。挑戦したことで新たな技術が身に付き、仕事の幅が広がりました」

 2018年に入社し、加工などを担う五十嵐舞子(23)今の仕事について、「地元でものづくりに携われることがうれしい」と話していました。

若手の育成にも力を入れているという吉田。日々心と技術を磨きながらアイディアを形にする若手社員のパワーが、日々進化をし続けるよしだの魅力のひとつになっています。

桐箱の主な特徴

① 保湿性に優れている

 桐の温度や湿度に応じて水分を吸ったり出したりするという特性によって一定の湿度に保たれる

② 抗菌作用(防虫・防腐・防カビ)がある

 虫を寄せ付けない成分〔パウロニン・セサミン〕に加え、防腐効果に優れたタンニンを多量に含んでいます。

③ クッション性がある

 軽くて柔らかく耐久性があり、クッション性にも優れています。

④ 光沢が醸し出す優美さ

 よしだでは、やすりを使うサンダー仕上げではなく円盤仕上げを採用することで、桐本来の艶と木目の美しさを活かした製品を生み出しています。

製品開発のきっかけ

わたしたちは常に桐の良さを最大限に活かせるものを模索し、大切なものや思い出を守り世界を豊かにする製品の開発に取り組んできました。

ここでは、よしだの製造で培った技術と桐が持つ素材優位性が詰め込まれた桐箱製品と、その製作のきっかけなどについてご紹介させていただきます。

桐が持つ音響性を活かしたスマートフォン用スピーカー「KIRINONE(キリノネ)」

 桐材は昔から琴や琵琶などの楽器に使われており、音響効果が高い材質であることが知られています。

 このスマホスピーカーは、桐の材質を活かして豊かな音響を再現できるよう作られました。お手持ちのスマートフォンを挿すだけで心地よい音質で音楽をお楽しみいただけます。

初版本や貴重本など「あなただけの重要文化財を守る『本の正倉院』」

 本の正倉院は、本のコレクターさんが日焼け、虫、カビに悩まれている事を知ったことをきっかけに開発された製品です。桐のもつ調湿性、防虫、防カビ効果を活かして、「あなただけの重要文化財」である大切な本を守る事が出来ると試行錯誤して完成しました。

 地方に隠された宝物を選ぶグランプリ「にっぽんの宝物グランプリ JAPANグランプリ」(https://www.undiscovered.jp/)では、2019年工芸雑貨部門でグランプリを獲得しました。

おいしいパンをより美味しくする、パン好きのための桐製ブレッドケース「吉田パン蔵」

 保湿性・抗菌作用・クッション性といった、桐の特徴がパンを乾燥やカビからやさしく守り、美味しさを長持ちさせる「吉田パン蔵」。高級食パンブームに着目したということもありますが、桐の魅力を活かし食品を長持ちさせることで、世界的な食品ロス問題の解決に繋げたいと思いから生まれた製品です。

今後の展望

有限会社よしだは、これからも桐の特徴を活かした生活雑貨など、長く使い続けていただけるものの企画開発に努め、代々受け継いできた技術・伝統文化を守りながら、桐箱の魅力を日本全国にとどまらず『KIRIBAKOを世界に』を合言葉に世界への販路開拓を目指してまいります。

= お問い合わせ先 =

有限会社よしだ 代表取締役 吉田長芳

TEL/023-645-3025 FAX/023-645-8544 URL  http://hakoyoshi.jp/

工房での取材対応も可能です。また商品現物についても郵送可能ですのでお気軽にお問合せ下さい。

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November 24, 2020 at 10:17AM
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