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Tuesday, December 8, 2020

明治期瓦職人の小説執筆 あわらの92歳鬼師・西郡さん - 中日新聞

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「瓦屋権蔵物語」を執筆する西郡さん=あわら市の「西郡鬼瓦工房」で

「瓦屋権蔵物語」を執筆する西郡さん=あわら市の「西郡鬼瓦工房」で

  • 「瓦屋権蔵物語」を執筆する西郡さん=あわら市の「西郡鬼瓦工房」で

 旧金津町(現あわら市)は、江戸時代から続く県内の主要な瓦産地として二百年余りにわたり栄えた。そこで生まれ育ち、十七歳から瓦職人として働く西郡(にしごおり)正義さん(92)=同市春宮一=は、歴史の生き証人だ。先輩から教えられた歴史を後世に語り継ぐため、現在、明治期の瓦職人の一生を描いた小説を、同人誌に執筆している。西郡さんは「いつか本にして、この歴史を残したい」と話す。 (藤共生)

 視力の低下とともに、わら半紙に書く字は次第に大きくなってきた。何度も書き直し、構成に悩んで一晩寝ない日もある。それでも情熱は衰えない。「瓦を一枚一枚手作りしていた時代を思えば、それが全く知られなくなるのは先人たちに申し訳ない。古いことを知らないと、新しいことは生まれない」

 和風建築の建物で、棟の両端に配置する装飾性に優れた瓦は「鬼瓦」と呼ばれ、それを製作する職人は「鬼師」と称される。西郡さんは全国でも数十人しかいないといわれる鬼師の一人だ。

 江戸時代に始まった旧金津町一帯での瓦作り。昭和初期には嶺北地方で生産される瓦の三割以上を占めていた。しかし一九九〇年代に瓦用の土が掘り尽くされ、瓦工場は次第に姿を消した...

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