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Tuesday, December 8, 2020

新型レクサスの内装に「プラチナ箔」 伝統工芸「金沢金箔」の職人技光る - 毎日新聞 - 毎日新聞

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金箔を薄く打ち延ばす「箔打ち」をする職人=箔一提供

 金沢市の伝統工芸、金沢金箔(きんぱく)の職人が手がけたプラチナ箔が、トヨタ自動車が発売した最高級セダン「レクサスLS」の新型車の内装に採用された。自動車の内装にプラチナ箔が使われるのは世界で初めてだという。

プラチナ箔が貼られたレクサスのドアトリム(矢印)=トヨタ自動車提供

 11月19日に発売された「レクサスLS」(希望小売価格1073万円から)で、ドアトリムと呼ばれるドア内側の4カ所に約3センチ四方のプラチナ箔計180枚が貼られている。「日本の美意識を表現する」コンセプトの一環で、ドア部品には京都の西陣織も使われた。

 東京での建材展示会に出展していた金箔メーカー「箔一」(金沢市森戸)にトヨタ側から声がかかったのは約10年前。金沢金箔は少なくとも400年の歴史を持つとされ、箔一は東京スカイツリーやJR九州の新幹線「つばめ」の内装などにも加わった。数年間の協議の末、トヨタが求める、月の光で照らされた波の揺らぎでできる「月の道」のモチーフに合う「プラチナ箔」の採用が決定した。

 工業製品と伝統工芸の融合には低くない壁もあった。デザインの均一性を求めるトヨタに対し、箔一は職人の手作業により生まれる一点一点の違いこそ魅力だと考える。プラチナは他の金属と比べて硬く、加工は難しい。両社で何度も話し合いがもたれた。

 10月からは職人7人が本格的に作業を開始。箔を貼る工程では、隣り合う箔同士を不規則に3~5ミリ分重ね、箔のしわ感を残すなど手作業ならではの個性を表現した。トヨタ広報部の担当者は「工芸品としての美しさと、自動車の装飾としての品質を両立させるには高い技術が必要だった」と話す。

 28年のキャリアを持つ職人でもある箔一の串岡功介建材加工生産課長は「自動車製造に関わるのは初めてで想定外の事ばかり。諦めかけたこともあったが、客の手元に届くまでこぎ着けたのは感慨深い」と述べた。浅野達也社長は「最先端の企業に伝統産業の技術を使ってもらうことで、日本の個性を残すいいきっかけになる」と強調した。【井手千夏】

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