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Saturday, July 10, 2021

<靴磨き職人レオンの夢> (中)師匠の下で修業 秋田耕平(関支局) - 中日新聞

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路上時代に使っていた道具。師匠と出会った日も、この道具で靴を磨いていた=岐阜県関市で 

路上時代に使っていた道具。師匠と出会った日も、この道具で靴を磨いていた=岐阜県関市で 

 路上で靴磨きを続けていた市原レオンさん(24)に声をかけてきた老人は、名古屋で有名な靴磨き専門店の主人だった。その店は奇遇にも、小学生のころにテレビで見た店だった。

 「良かったら、うちで弟子に入らないか。明日にでも来てほしい」。職人への覚悟が決まっていた市原さんは「お願いします」と即答した。

 師匠から学ぶ靴磨きの世界は、靴販売店などに聞いて会得していた概念とは、まるで別次元だった。「靴磨きで一番大事なのは、とにかく汚れ落とし」。それまでは「とにかくクリームを上塗りしていけば良いと思っていた」。しかし、それでは靴が鏡に息を吹き掛けたように白く曇る。師匠は「汚れ落としで“すっぴん”の状態にしてから磨け」。教わった通りにすると、革が潤いを取り戻したかのようにみずみずしくなった。輝きも変わった。

 中学一年の時に名古屋市内の路上で靴磨きを始め、十三年目。発達障害の特性を強みに故郷の岐阜県関市で店を構えた市原レオンさんの、中高生時代の苦しみ、職人としての修業の日々、胸に秘める夢を追った。

“見て覚える”で上達

 指導法も独特だった。発達障害の特性上、言葉での説明を動作に置き換えることが難しかった。師...

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