西興部の色んなところにいるキャラクター、セトウシくん。 何か持ってますね。ギターです。
西興部は「音楽の町」。それは酪農と並ぶ基幹産業に、ギター生産があるためです。
早速うかがいます。案内してくれるのは、向井地紀幸工場長。
工場の中はギターがいっぱい!
今は1日100枚も生産しているといいます。
職員は35人ほど。20代30代の若者が中心で、みな黙々と仕事に打ち込んでいます。
向井地さんが今回紹介してくれたのが、河本雄大さん。
2020年に入った期待の新人です!
担当はしているのはギターの塗装。
ギター制作の工程の中では、花形なんだそうです。
(塗装の作業場は、小さなホコリなどが入らないよう、部外者立ち入り禁止。向井地さんが特別にカメラで撮ってきてくれました。)
札幌出身の河本さんは中学生のころから大のギター好き。
ただ、好きなのは音というより色や形。造形物として好きだったそうです。
一度大学に行くも、1年半で中退。
東京の専門学校で、ギターの制作技術を1から学びました。
就職は地元の北海道を希望。
道内唯一のギター工場がある西興部しか頭になかったといいます。
向井地さんも期待を将来を担う人材として期待しています。
抜擢された塗装の行程は難易度が高く、最も苦手としていた分野だったといいます。
しかし、日々経験を積むことで技術が上がってきていることを感じています。
仕事は「楽しい」と即答です。
順風満帆に見えるギター工場ですが、一つ、残念なことが。
原料となる地元の木が減っています。
主に使うのがシナノキ。柔らかく、加工しやすいのが特徴です。
かつて西興部にたくさん自生していましたが、ずいぶん減ったため、今は北海道中から木材を集めています。
シナノキは、向井地さんも見たことがないといいます。そこで、撮影してきました。
西興部で林業を営む谷口和美さんの案内を受け、木を探すと…
発見しました。これがシナノキ!
しかし、この木もギターにはできないといいます。ギターにできるのは、40年以上生きた、太いシナノキの大木だけなのです。
そこで西興部村では、シナノキを育てるべく、今年から植樹を開始するプロジェクトが始動。
10月2日に最初の植樹をむかえます。
今日、木が届きました。本数は約220本。
ギター工場の方も、総出で植えにくるそうです。最終的には1000本以上を植えるといいます。
「植えた木が使えるようになるのは、自分の孫の代かな…」と笑う向井地さん。
村の長い将来を見据えた取り組みは、村の人たちの西興部への思いを象徴するものに感じられました。
今回の取材では、ご出演していただいた方、陰で支えてくださった方、本当に多くの村の方にお世話になりました。
自然をうまく活かしながら前向きに生きる村の人たちが、とても魅力で羨ましく感じられた一ヶ月でした。
本当にありがとうございました!
2021年 9月30日
NHK北海道ディレクター 幡鎌亮太
こちらの記事もどうぞ 「西興部の人々が集う学校」
からの記事と詳細 ( 若き職人が集う!西興部のギター工場 - nhk.or.jp )
https://ift.tt/3zPUYuN
No comments:
Post a Comment