歴史的価値の高い素材や技術を復元
工事の過程で、創建当時の材料や歴史的価値のある素材が発見された。素材をそのまま保存したり一部を残したりして、建造物の魅力を後世に引き継ぐことを目指した。 例えば、2階応接室では正倉院宝物殿にある銀壺と似た模様と思われるクロスが発見された。そこで計画を変更し、応接室内のクロスとして復元。また、さまざまな場所で「刀剣」や「陸軍勲章」など、軍人会館としての歴史が感じられるデザインが残されていて、可能な限り修復し活用する計画とした。 階段室では、歴史的価値の高い「霞」という大理石が活用されていたことが分かっており、工事の過程で復元することを決定。劣化により復元できない場所では、他の階段から同じ素材を集めるなどして、可能な限り保存・復元した。 また、創建当時の工法・技法を研究し、現代技術とミックスした内装・建具の復元を目指した。ムラのある緑色が特徴の屋根瓦は、あえて古い釜を使用し、織部色を出すために釉薬(うわぐすり)の配合比率を変えながら、40枚以上の試作を繰り返した。 戦前の職人による技術が盛り込まれた、宴会場「鳳凰」内のしっくいデザインは、当時の技を再現するため、職人が自ら鏝(こて)を作成した。 同プロジェクトでは、保存部分の免震化を図るため、「免震レトロフィット工法」を採用。基礎に設置された免震装置により、建物と地盤が分離されているため、地震が発生しても建物の揺れや被害を最小限に食い止めることができる。地下1階に免震装置を設置することで、保存部分への影響を最小化しつつ、耐震性能を大きく向上させた。
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