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Wednesday, December 1, 2021

「俺たちのワークマン」再び “職人向け”の新業態「プロ」は何が違う? - ITmedia

sanubaripanas.blogspot.com

 ワークマンは12月2日、職人向けの新業態「WORKMAN Pro(ワークマン プロ)」の1号店となる板橋前野本通り店(東京都板橋区)をオープンした。2018年に職人と一般客、双方の商品を共存させた「WORKMAN Plus(ワークマン プラス)」をオープンして以降、幅広い客層をターゲットにした店舗を展開してきた同社。“原点回帰”と位置付ける同店は既存店と何が違うのだろうか。オープン前の店舗を取材した。

ワークマン 職人向けの新業態「WORKMAN Pro(ワークマン プロ)」

 ワークマンプロのロゴは、黒を基調としたデザインとし、店舗の内外装は、同社のアンバサダーで職人として働いていた経験のある山下幸一氏の意見を取り入れ、黒いマネキンや棚を導入しスタイリッシュな雰囲気を演出している。

 SNSなどで従来の顧客層であった職人からあがっていた「悲報!俺たちのワークマンはどこへいった」「女性客や子ども連れの客が多く店舗に入りにくい」といった声に対応し、職人が入店しやすいデザインを採用した。

ワークマン 黒いマネキンや棚でスタイリッシュさを演出

 取り扱う商品は全1400アイテム。ワークマンプラスの路面店の商品構成は、一般向け、職人向け共に5割だが、同店では職人向けの商品を7割に拡大。女性用の商品やアウトドア用品も取り扱っているが、その割合は既存店に比べて低い。より職人に特化した構成とした。

ワークマン アウトドア用品や女性向け商品の比率は抑えた

 中でも特に目を引くのが、ワークマンプロの主力商品と位置付ける、同社初のスタイリッシュ作業服「PRO CORE」シリーズだ。

同社初のスタイリッシュ作業服で若年層の取り込みも

 スタイリッシュ作業服は、同社が展開する汎用作業服(G Nextシリーズ)とは異なり、デザインの流行があるため在庫コントロールが難しく「参入をためらっていた」(同社)という。しかし、若い職人の取り込みと、ライダーズジャケット用など一般客の需要も見込めるとして、他のプライベートブランド作業服の2倍以上となる年間120万着を販売する。

ワークマン 同社初のスタイリッシュ作業服「PRO CORE」シリーズ

 また、既存のワークマンなどに比べて取り扱う工具の数も増やした。価格の幅も広げ、さまざまなシーンで活用できる商品を展開している。担当者によると、ワークマンの中で“ダントツ”売れている商品は「軍手」。建設業などの作業員にとって、最も利用するアイテムであり、かつ消耗品でもある。担当者は「職人のコンビニエンスストア」でありたいと話し、オープン時も軍手を入り口前に並べ、セール品として展開するという。

ワークマンワークマン 充実した工具入れや軍手のラインアップ

 その他に、業務用のエプロンやシューズなどを取りそろえる。「コックシューズ」や「ファイングリップシューズ」は、ワークマンが幅広い層に認知されるきっかけになった商品だ。妊娠中の女性が「履きやすくて滑りにくい」とSNSなどで発信したことから、一般客が買い求めるようになったという。

ワークマン 業務用のシューズは“妊娠”にも評判

職人の支持をどこまで得られるか

 また、職人から支持を得ていると話す「加工糸防寒ジャンパー」や、事務所と作業現場を行き来するビジネスパーソンをターゲットにした「ワークスーツ」なども取りそろえている。

ワークマンワークマン

 なぜ同社は、ワークマンプロ1号店を板橋区に出店するのか。担当者によると、板橋区内には国内トップクラスの売り上げを誇る「ワークマン」があるという。その店は常に混雑状態が続いているといい、近くに新店舗を出店することで客の流れを分散させ、需要が高いエリアで新業態がどこまで支持されるか検証する狙いもあるという。初年度は全店の平均売上の約1.3倍となる2.1億円の売り上げを目指す。

ワークマン 空気を入れて温度調整できる「AERO PUMP(エアロポンプ)」シリーズ

 今後、ワークマンプロの出店はこの1号店を除いて全て既存のワークマンから改装する。需要が高いエリアに出店している売り上げ2億円以上の店舗を中心に改装を進め、10年後にはプロが200店、プラス900店、#女子400店の1500体制とする。

ワークマン 10年後に200店舗体制を想定する(出所:プレスリリース)

 オープンを知らせるチラシでも「一周回っちゃいました 『俺たちワークマン返して』に応えます」とうたい、本業重視の姿勢を強調した同店。既存店は混雑が常態化し、一部の職人は競合店や個人商店に流れていったという。「プラス」「#女子」に次ぐ、“懐かしくも新しい”「プロ」は、どこまで受け入れられるか、今後の展開も注視したい。

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