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Monday, December 23, 2019

教育版マインクラフトで創造する喜びにあふれる、子どもたちのクリエイティビティに魅了された街づくり――「Minecraft カップ 2019 全国大会」最終審査会・表彰式レポート - 窓の杜

マインクラフトの教育版「Minecraft: Education Edition」を用いて、子どもたちがデジタルものづくりを競い合うコンテスト「Minecraft カップ 2019 全国大会」(主催:Minecraft カップ 2019 全国大会運営委員会)が、今年初めて開催された。

同コンテストは、教育版マインクラフトを使って、デジタルものづくりの機会創出をめざすもの。テーマに基づいた街づくりにチームで挑戦し、その出来栄えを競い合う。初開催となった今年は、学校やパソコンクラブ、特別支援団体など、133チームがエントリーし、その中から8チームが一次審査を通過した。

2019年9月23日には、8チームの中から大賞を決める「Minecraft カップ 2019 全国大会 最終審査会・表彰式」が日本マイクロソフト品川本社で開催。当日は、子どもたちが、想いを込めた作品とプレゼンテーションを披露した。子どもたちの創造性あふれる作品を紹介しよう。

今年が初開催の「Minecraft カップ 2019 全国大会」には、133チームがエントリーし、その中から8チームが最終審査会・表彰式に進んだ

テーマは「スポーツ施設のある街をデザインしよう」

今年が初開催となった「Minecraft カップ 2019 全国大会」は、子どもたちがデジタルものづくりに触れる機会創出をめざしたコンテスト。教育版のマインクラフト「Minecraft: Education Edition」を用いて、テーマに基づいた街づくりにチームで挑戦し、競い合う。

今回のテーマは、「スポーツ施設のある僕・私の街~ワクワクする『まち』をデザインしよう」というもの。ラグビーのワールドカップや、東京オリンピック・パラリンピックなど、国際的なスポーツイベントのホスト国を務める日本。子どもたちには、教育版マインクラフトによる街づくりを通し、自分事として社会を見る目を育んでほしいと、このテーマが選ばれた。

参加条件は、15歳以下の男女で構成される3名以上30名以内のチームであること。そして、16歳以上のコーチング役が付かなければならない。参加チームは、学校のクラスメイトや部活動のメンバー、プログラミングスクールの友達、また被災経験や不登校、院内教育という困難を抱えた子どもたち、海外在住の子どもたちなど、さまざまな属性の子どもたちがひとつのチームを結成し、応募した。初開催の今回は、全部で133チームがエントリー。その中から、ピア・ボーティング(参加者による相互評価)で選ばれた8チームが一次審査を通過して、最終審査会・表彰式に集結した。

評価ポイントは「多様な人々の暮らし」「コラボレーション」「プログラミング」

最終審査会・表彰会の当日は、運営委員長を務めた鈴木寛氏(東京大学教授、慶応義塾大学教授)と、運営委員の赤堀侃司氏 (日本教育情報化振興会/JAPET&CEC・ICT Connect 21会長、東京工業大学名誉教授)、2人の挨拶から始まった。両氏は、子どもたちの作品から、自分事として街づくりに取り組んだ様子が伝わってきたこと、また教室や年齢の枠を越えて、新しい教育のつながりが生まれることなど、教育版マインクラフトの教育的価値について述べた。

運営委員長を務めた鈴木寛氏(東京大学教授、慶応義塾大学教授)
運営委員の赤堀侃司氏(日本教育情報化振興会 /JAPET&CEC・ICT Connect 21会長、東京工業大学名誉教授)

続いて、困難を抱える子どもたちへのプログラミング教育支援に取り組んでいる、公益社団法人ユニバーサル志縁センターを中心に編成された事務局の方から、最終審査会に至るまでの本大会の歩みが紹介された。2019年3月10日に実施されたオープニングイベントを皮切りに、約5ヶ月間の作品募集期間が設けられたが、その間、より多くの子どもたちがデジタルものづくりに参加できるよう、さまざまな取り組みが行われたのだ。具体的には、全国約3万校の小中学校に公式ハンドブックを配布したほか、被災地である釜石市や陸前高田市ではイベントやワークショップも開催。また特別支援団体に対しては、コーチ養成講座を設けて指導者の育成にも取り組み、困難を抱える子どもたちにも教育版マインクラフトに触れられる機会創出に力を入れた。

被災地や特別支援団体など、さまざまな困難を抱える子どもたちにも教育版マインクラフトに触れられる機会を提供した

ここで、今回のテーマでもある「スポーツ施設のある街をデザインしよう」について評価ポイントを整理しておこう。子どもたちの作品に対する評価ポイントは下記の3つ。

1. どれほど多様な人々が充実した暮らしができるか
2. 協働作業の利点を生かせているか
3. プログラミングやレッドストーンが活用されているか

1つめは、子どもたちがいかに視点を広げられるかがポイントとなる。子どもたちは普段マインクラフトで遊ぶ時は、自分たちが作りたいもの作っているだろう。しかし、コンテストでは、多様な人が暮らす社会に重きを置いて作らなければならない。

2つめは、マインクラフトが持つ最大の魅力である「自由なものづくり」と、マルチプレイによる「コラボレーション」がポイントだ。立方体のブロックで作られたワールドに、子どもたちがどのような街を作るのか。一からアイデアを出し合ってゴールを設定し、そのイメージを共有しながら協働作業を進めなければならない。

最後に、プログラミングとレッドストーンの活用が評価ポイントに入っているのは、デジタルものづくりの観点を考慮したものだ。というのも、マインクラフトで遊ぶ時にプログラミングやレッドストーンを活用する子どもは少なく、手作業でやってしまう子どもが多い。もちろん、それもマインクラフトの楽しみではあるが、今回はデジタルものづくりという観点からプログラミングとレッドストーンが評価項目に入った。巨大建築物をつくるときプログラミングで自動化したり、レッドストーン回路を用いて、街に動くものを作ったりするスキルが求められる。

最終審査に残った8作品は、想いあふれる魅力的な街の数々

ここからは最終審査の結果とともに、当日、プレゼンを披露してくれたチームの作品を紹介しよう。最終審査では、3分間のワールド紹介動画が流れたあと、子どもたちは大賞を懸けて、3分間のプレゼンテーションを披露した。どの子どもたちも緊張ぎみな様子であったが、作品を見てほしいという一途な気持ちが伝わってきた。

教育版マインクラフトによるデジタルものづくりは、教育的要素が多い

以上、最終審査会に残った8チームの作品を紹介したが、どの作品からも子どもたちが持つ創造力の凄さと、良い街をつくりたいという想いが伝わってきた。子どもたちの作品を見て、改めて教育版マインクラフトが持つ教育的価値に気づいた人は多いはずだ。

これについては、運営委員長の鈴木氏も「まさにマインクラフトはアクティブラーニングであり、総合学習だと思った。歴史、地理、政治経済など、ものすごい学びの広がりがある。単なるプログラミング学習ソフトでもゲームでもないということを、皆さんが証明してくれた」と総評で語っていたことだ。

「マインクラフトはアクティブラーニングであり、総合学習」と語る鈴木氏

子どもたちの作品については、街づくりのコンセプトに「地域への親しみ」「地元愛」の感じられるものが多かった。地域に残る自然や伝統に注目し、街を訪れた人にもそれらを楽しんでもらおうと、街づくりを第三者的に考えられた点も素晴らしい。また多様な人の暮らしにも注目し、自分とは異なる立場にいる人の暮らしにも目を向けられた。子どもたちの視野が広がるきっかけになったといえるだろう。

教育版マインクラフトの醍醐味である協働作業については、どのチームも役割分担をし、それぞれの得意を活かして取り組んでいた。スキルや得意が異なるメンバーでチームを形成し、ひとつの街をつくるときは、最終イメージの共有が重要になるが、どのチームもコミュニケーションを上手く連携させ、統一感ある街を見せてくれた。

ちなみに、ここまで教育版マインクラフトで完成度の高い街を作るためには、子どもたちの主体的な情報収集が欠かせない。伝統行事やパラリンピック、地域の自然について調べたという子どもたちの話もあったが、一方で、ビルの外観のデザインを観察したり、店の中にあるものを調べたりという細かな観察も子どもたちは行っている。大人目線では見えない部分に、学びが生まれていることを知っておきたい。

子どもたちが想い込め、本気になれるマインクラフトは、大人が思いもしないようなアウトプットを見せてくれる。もっと良いものを作りたいと思う原動力は底知れず、そこに訴えかける教育版マインクラフトは、もうとっくにゲームの域を越えている。

[制作協力:日本マイクロソフト株式会社]
[写真提供:Minecraft カップ 2019 全国大会運営委員会]

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December 24, 2019 at 06:00AM
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