米フェイスブック(FB)日本法人で代表を務めた長谷川晋氏が立ち上げたITベンチャー「MOON-X」(東京都世田谷区)が1月、老舗の蔵元と協業してクラフトビール事業に参入した。缶ビールが毎月届くサブスクリプション(定額制)で、消費者の意見や感想を商品の改善につなげる仕組みも導入。「ブランドとテクノロジーの力で日本のモノづくりの翼に」とのビジョンを掲げ、“モノ消費”を“コト消費”に変えるブランド提案の実現を目指している。
同社のクラフトビール「CRAFT X(クラフトX)クリスタルIPA」(アルコール度数6%)は、香りと苦みが強いインディア・ペールエール(IPA)を名乗りながらも、苦みは抑えられ、飲みやすさを併せ持つ。昨年秋にはテスト販売を実施して評価を得た。販売は自社サイトでの申し込みによるサブスク方式で、毎月350ミリリットル缶12本が届く。販売価格(税込み)は6960円。
◆老舗蔵元とコラボ
クラフトXは、ビールの造り手とのコラボレーションで生まれた商品だ。製造を手掛けたのは「常陸野ネストビール」を展開する国内クラフトビールの老舗・木内酒造(茨城県那珂市)。日本酒「菊盛」の蔵元で、1994年には高品質ビール「常陸野ネストビール」の醸造を始めた。国内外のビールコンテストで受賞歴を重ね、輸出へ踏み出した。いまや、国内クラフトビールの中で成功したビールと一目置かれる存在だ。
木内酒造の木内洋一社長は、今回のコラボについて、「長谷川さんの人柄を信用した。ITとクラフトビールのコラボレーション、もしかしたらおもしろいかもしれないと思った」という。もちろん品質は妥協せず、「本当にクラフトビールが好きな人も、良く知らない人も、ビール嫌いな人でも飲める、というコンセプト」に挑戦。今後も改良は続けたい、と意気込みを見せた。
長谷川氏は数年前、米・カリフォルニア州の飲食店でクラフトビールを飲み、「なんだこれは」と思う衝撃的な体験をしたという。その原体験を元に国内市場を見渡せば、米国から吹いたクラフトビール人気という追い風もある。
「造り手と協業してブランドを立ちあげ、消費者と造り手をテクノロジーでつなぎ、人の生活を豊かにすることなどを通じて、日本のものづくりを体現するブランド群を生み出す」という起業コンセプトの中で、第1弾ブランドとしてクラフトビールに着目した。
長谷川氏は「消費財や食品・アルコール業界は、店頭に並んだ棚から消費者に選んでもらい、また次に選ばれるのを待っている」と分析。立ち上げたブランドでは「ファンになってもらった人たち(定期購入者)と継続的関係をつくる」とし、クラフトX購入者の意見を「テクノロジー(IT)を通じて集めて、ものづくりに高速で反映していく」方針だ。
◆FB円満退社し起業
長谷川氏は、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)で紙おむつや化粧品を担当後、楽天の上級執行役員を経て、2015年にFB日本法人に転じて代表に就任。FB就任時に国内810万人だった「インスタグラム」のユーザーは爆発的に増え、今は3300万人を超えた。「起業したいとずっと思っていた」(長谷川氏)中、事業が順調な時だからこそ自身の夢をかなえるため、準備を進めて円満退社した。「ブランドやプロダクト(作り)をP&Gで、楽天でオンライン販売を、インスタグラムでも(育成の)経験がある。素直に組み合わせて、社会貢献できることをしたい」と考え、起業コンセプトを創り上げた。
商品購入というモノ消費は、ストーリーが決定権を持つコト消費へと変化している。世界へ打って出るため、長谷川氏はブランドに新たな「のし紙」を付けることが不可欠と考える。「今、消費者は、大量消費時代と異なり、ブランドがどんな背景を持っているのか、商品がどんな価値観で作られたのか説明を求めている」からだ。
MOON-Xは、FBやインスタグラムなどグローバルプラットフォームを活用して、商品・ブランドに加え「のし紙」を付して発信していくことで、消費者の声に応える。(日野稚子)
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February 20, 2020 at 05:15AM
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