2021/12/25 20:08
山形市蔵王温泉の玄関口となる大鳥居近くで、クラフトビール醸造所「蔵王ブルワリー」の建設が進んでいる。風光明媚(めいび)な地で、豊富な蔵王山の湧き水を利用して醸造。樹氷やアオモリトドマツなどをイメージしたビールを造り、新型コロナウイルス禍にあえぐ蔵王の活性化に貢献する狙いだ。レストランを併設した醸造所は来年2月に稼働予定で、ビール発売は同月下旬頃を見込んでいる。
取り組むのは食品卸売業の山里菜(さんりな)(同市)で、コンセプトは「リディスカバー(再発見) ビールを、蔵王を冒険しよう」。東北を代表する観光地の蔵王だが観光客は現在、減少傾向だ。海谷康裕社長(39)は「新型コロナを含め暗い話題が多いが、ビールを通し魅力を発信し活気を取り戻したい」と話す。市内にビール醸造所がないことも決め手となり、昨年11月ごろに構想を抱いた。調べると湧き水がビール醸造に適していると分かり、事業着手した。
当面の銘柄は4種類だ。「スノーモンスター」は樹氷をイメージし、珍しい白いクラフトビールとする。「マツノモリエール」は松と杜(森)から名付け、爽やかですっきりとしつつ優しく芳醇(ほうじゅん)な味に仕上げる。「蔵王クラシックIPA」は厳選したホップをふんだんに使い香りと苦味を楽しめる。本県産サクランボを用い、フルーティーで飲みやすい「山形さくらんぼエール」も造る。330ミリリットル瓶を使い、初年度は約2万5千リットルの出荷を目指す。
海谷社長の蔵王一中時代の同級生で、県外企業からUターンした坂本陽介さん(38)が醸造責任者。宇都宮市や新潟県のブルワリーで醸造技術を身に付けた。
山形市蔵王上野の赤い大鳥居近くに平屋の醸造所を建設中。レストランは出来たてのクラフトビールが飲めるほか、ビールと相性の良い蔵王牛ローストビーフや蔵王チーズ、ピザなどを提供する。屋上テラス席の利用も構想している。いずれホップ、野菜、コメを自家栽培で賄う計画で、栽培を始めた。
海谷社長は「クラフトビールは多様なスタイルを持ち、クラフトビールだからこそ表現できることがある。山形の日本酒やワインのように、蔵王から新たなクラフトビール文化を発信する」と意気込む。整備費として12月末までクラウドファンディング(CF)に挑戦中だ。詳細はCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で確認できる。
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