本連載も最終回が近づいてきました。今回は、ゲーム産業におけるブロックチェーンの活用について説明します。2020年春時点において、日本におけるゲームへの応用は20~30例を数え上げられる程度であり、まだ黎明(れいめい)期と言えます。ブロックチェーンはゲーム産業にどのようなインパクトを与えるのでしょうか。2回に渡って見ていきます。
ブロックチェーンをゲームへ応用する取り組みは、日本では小さな2次元画像で描かれたキャラクターやアイテムを交換するタイプが主流です。一方海外では、フランスのゲーム会社ユービーアイソフトを中心に、ブロックチェーンをゲームの基幹部分に導入しようと試みる動きが出てきています。パソコンや専用ゲーム機向けの多人数でプレーするタイプのMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)や、スマートフォン向けのソーシャルゲームにおいて広がっています。
MMORPGなどでは、ユーザーが冒険で入手したアイテムや戦闘で獲得したカード、ゲーム内で自分が制作したアイテムを交換する機能を備えることが多く、その機能によってユーザー同士のコミュニケーションが活性化しています。また戦闘以外に、アイテムやカードを交換によって手に入れる手段も多くのゲームが提供しています。このようなやり取りは、従来は運営元のゲーム会社が設置した中央サーバーを介して行われていました。ちょうど、役場で公証人を立てて証明された書類をやり取りする方法に似ています。
特定サーバーに頼らずアイテム交換可能に
一方ブロックチェーンを使う場合は、いわばアイテムを持っているユーザーの手元でやり取りを実施し、これを公証します。ブロックチェーンでは、それぞれのユーザー自身がノード(ネットワークを構成する一要素)となってネットワークを構築し、ノードにつながった他の多数のノード間とやり取りの記録を保存し合う仕組みだからです。ゲーム内でアイテムのやり取りを、特定のサーバーに頼らずにユーザー同士で交換可能になるわけです。
従来のサーバー型でユーザー同士がアイテムを交換する際の問題点は、取引の正当性を確認できないことでした。ブロックチェーンで以下のような手続きを踏むことでこの問題を解消できます。「(1)お互いが本物であることを確認する」「(2)お互いの取引の記録を周囲の多数のノードに発信して記録してもらう」――です。
正当な取引であることが保証され、また取引によって所有権が移転したことなども記録され、全員でその情報を確かめられます。言ってみれば、ローカルなやり取りを周囲全員で記録して残していこうというアイデアです。
ここ数年、米ユニティ・テクノロジーズ「Unity 3D」や米エピック・ゲームズ「Unreal Engine」といった、ゲーム基盤を作る仕組み(エンジン)が無料でダウンロードできるようになりました。ある程度利益が出るまでは無料で使えますので、ゲーム産業以外の人でも手軽にゲームを開発できる環境が整いました。
結果として、ゲーム内でキャラクター、アイテム、地形などをユーザー自身が作れる仕組みも組み込まれるようになりました。かつて世の中に送り出されるゲーム内の世界観はゲーム会社がすべて作るものだと相場が決まっていました。ところが昨今は、ユーザー自身がプレーヤーであると同時に制作者の役割も担えるようになりつつあります。ゲーム会社が作った完成度の高いゲームがなくなるわけではありませんが、一方でもう1つの“極”としてユーザーが作ったり変更したりできる新しいゲームの世界が生まれています。
後者の可能性を如実に示してくれた存在が、スウェーデンのゲーム開発者マルクス・パーション氏(通称ノッチ)が独力で開発した『マインクラフト』(Minecraft、Mojang Synergies, 2009)でしょう。
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