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コロナ禍で地方へ移り住むことへの関心が高まる中、会社を辞め千葉県から尾道に移住した夫婦がいます。緊急事態宣言で飲食店に逆風が吹く中、クラフトビールづくりに挑戦する2人の姿を追いました。 尾道市中心部の商店街、そこに今年2月クラフトビールの醸造所がオープンしました。 店の名前は「尾道ブルワリー」。築120年以上の蔵を改修した店内は、昔ながらの梁や壁が味のある雰囲気を生み出しています。 この場所でビールの醸造から販売を手掛けているのが千葉から移住してきた佐々木真人さんと真理さん夫婦です。 仕込みから完成まで1か月近くかかるクラフトビールの製造。2人がその知識を学び始めたのはおととしの12月のことです。 醸造家としては駆け出しの2人ですが試行錯誤を繰り返しながら徐々に、思い描いた味を作れるようになってきました。 【佐々木真人さん】 「ビールを作るまでは全然作り方なんて知らなかったので、基本はさっきも言ったように単純なんですけど奥が深い。入れるタイミングが違うだけで味が変わるしすごい奥が深いですね。だから面白い」 千葉で暮らしていた当時は食品関連会社に旅行会社と…ビールとは接点のない仕事をしていた2人。年とともに体調を崩すことも増えてくるなか、大好きなビールを通して地域に貢献してみたいという思いが次第に芽生えたといいます。 そこで、新たな挑戦の舞台に選んだのが旅行で訪れたこともある尾道。コロナ禍での新たな挑戦にも2人に迷いはありませんでした。 【佐々木真人さん】 「もう会社辞める時期も決めちゃってたので、もう後戻りができないというか、2人だけなので、やらないよりもやって失敗したら次のこと考えればいいかなと」 今では家のある向島から渡船と自転車を使って店まで通う日々。時間に追われ満員電車での通勤を繰り返す会社員時代には考えられなかった「心の豊かさ」を感じられる生活に尾道への愛着も日に日に増していると言います。 【佐々木真理さん】 「今まで味わったことのない時間や景色があるので、これはここに来て暮らしてみないと分からないものなんですけど、移住してきて良かったなってすごく思います」 そんな尾道には柑橘類や野菜など多くの特産品があります。その魅力を多くの人に知ってもらおうと夫婦がこだわるのは「メイドイン尾道」のビールです。 煮立った麦汁が入った醸造タンク。そこに入れるのは・・・ 【真理さん】 「これが尾道で採れた甘夏です。入れます」 ビールと甘夏、一見不思議な組み合わせですが実はホップの苦みと甘夏の爽やかな香りが合うとのこと。店のオープンから半年、これまでレモンや八朔をはじめとして、中にはトマトやフキノトウなど地元で取れた食材を使い尾道らしさ溢れる斬新なビールを作り続けています。 【佐々木真人さん】 「地元のものを大事に使って美味しいものができて、色んな人に知ってもらえる。今はネットに載せれば海外の人にも見てもらえる、そういう部分で尾道のことを知ってもらえるのはすごい嬉しいです」 この夏には地元の人気店のレモネードとビールを混ぜ合わせた新商品も開発しました。 「こんにちは、できましたよ」 地元の食材の活用にこだわることで、生産者や飲食店など人とのつながりが自然と広がっていったといいます。 尾道を盛り上げようと、生産者とアイデアを出し合う姿はもうすっかり地域の一員です。 【真理さん】 「やっぱり香りがホックスタンドのレモネードって感じがする」 【HOK STAND・櫻武千影さん】 「レモネードの味もしっかりあって美味しいです」 【佐々木真人さん】 「色んな人と出会ってこの人たちと何かやりたいねとか、一緒に盛り上げたいねって気持ちは当初思ってたよりもかなり強いですね。多分他の地域いったらここまでならなかったと思いますし、そういう環境の中に一緒にいられることが嬉しいですね」 度重なる緊急事態宣言など飲食業界にとっては厳しいコロナ禍の時代。それでも大好きになった第2のふるさと・尾道のため魅力の詰まったビールを夫婦は造り続けています。
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